今回はいじめを題材にした漫画の紹介をしたいと思います。
どの時代になっても無くならないいじめ。筆者自身も学生時代、その恐怖を目の当たりにしたものです。
否が応でも人間に感情というものがあるので、いじめを根絶するのは難しいでしょう。
が、一切必要のないものだと思っていますし、加害者側に対しては嫌悪感しかありません。
いじめ漫画を読むことでリアルな問題に繋がらないかという懸念がありますが、個人的にはいじめ=悪だという事を何らかの媒体を通して知っておくことは良いことだと思うので、記事を書こうと思いました。
それでは紹介していきます( `ー´)ノ
いじめを題材にした漫画まとめ
目には目を「復讐の教科書」
廣瀬 俊/河野 慶 講談社 2020年07月09日
学校ではいじめられ、退学届けを出そうとするも母親に止められるいじめられっ子が主人公。ある日、いじめっ子に屋上で追い詰められ落下します。しかしあることがきっかけで別の人物の人格になり生き延びます。別の人物として、いじめっ子に対して、復讐をしていく作品です。
その復讐が容赦なく、単純に「死」を与えるのではなく、その相手を最も苦しい状況を追い込む事を軸に物語が展開していきます。いじめっ子への復讐はスカっと部分もありますが、その強すぎる意志を元に追い込んでいく姿は苦しさも感じさせます。
個人的にこの作品を読んで印象的だったのが、
「なんでイジメられた方が 逃げなきゃいけないんだ!!」
という言葉です。
「死ぬ前に逃げて」「誰かにSOSのサインを出して」などいじめの現場では言われることが多いんですが、そもそも何で被害者側からアクションを出さないといけないのか。
心拍数が上がるいじめ漫画「聲の形」
主人公は小学生の頃、聴覚障害を持っていた転校生の女の子をいじめるいじめっ子に… しかしそのいじめのエスカレートぷりにクラスメイトから非難され、主人公がいじめられるようになります。いじめっ子からいじめられっ子へ。。
いじめられたことで他人と関わらない、関わることが難しくなってしまった主人公はそのまま高校生になります。自殺を試みようとしていた主人公が、自身がいじめていた女の子と出会い、過去の罪と向き合い始めていく作品です。
映画化もした大人気作品ですが、原作の内容はかなり残酷な感じです。リアルないじめ描写、目を背けたくなるような人間関係、嫌すぎる空気感などが鮮明に描かれていて、漫画を読んでいてとても負の気持ちになります。
傍から見るとこんなにも分かるのに、リアルになると見過ごしてしまう独特の嫌な気持ちが沸々と湧いてきます。
えっえっ!?「いじめるヤバイ奴」
主人公は、狂ったようにいじめを行ういじめっ子。クラスの女の子をクラスメイトみんなの前で徹底的にいじめます。周りのクラスメイトも自分が標的になることを避ける為に同調する雰囲気。
しかし、主人公はその女の子に「いじめさせられていた」加害者でした。その女の子がとにかくヤバイ。いじめられないと逆に桁違いのレベルの暴力を振るいます。
意図的に加害者にさせられ、いじめを強要される主人公が自分が死なない為に日々いじめをする作品です。(1話時点)
この漫画は「いじめ」を題材にしている漫画ですが、リアルないじめとは全く毛色が違います。
不憫枠として主人公(いじめている側)が存在しています。目的(いじめる)のために日々せっせと力を尽くし、立ちはだかる壁(いじめを阻止する奴)を排除しようとします。
この「いじめ」という重いジャンルを中毒性があるサイコ感と、色々と乱高下する話の展開で無に帰しています。
いじめの伝播「いじめのケジメ」
主人公は元高校教師。受け持つクラスで壮絶ないじめが行われていたことを突然送られてきた1冊の黒い手帳でしります。17年もの間、行方不明のいじめ被害者生徒を探し続けていますが、掴めていません。
そんな中、当時のクラスメイト達が一人ずつ順にいじめの内容に沿って殺されるという事件が…
いじめから始まる復讐劇を描いている作品です。
いじめの内側・外側それぞれの人間の感情。そして、その後について描かれているいじめのケジメ。
以下の言葉がとても印象的でした。
「『関係ない奴は口を出すな』という意見がある」
「しかし人は繋がっているんだ 親から子
その子と同級生 生徒と教師 波紋が広がれば全員が余波を受ける」
いじめている側の動機として、何も理由はないというヤバイ奴を除き何かしらある。両親の不仲だったり、不倫。負の要素が積もり積もって他人に当たる。一見、繋がりのないことにもマイナスな感情のリレーが「いじめ」に繋がることがあることを伝えてくれます。
「いじめ」を断ち切ることの難しさをいじめのケジメは描いています。
最後に
いじめを題材にした漫画について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。
正直、重いテーマの漫画なので、読むことにとても体力を使います。しかし、こういう漫画があるということは作者の方も「伝えたい」という思いが他のジャンルの漫画に比べて大きいのだと思います。
フィクションなので、「実際とは違うよ」という声があるかもしれませんが、
ひとつの警鐘としていじめ根絶に向かってくれればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!また読んだら随時まとめようと思うので、ブックマークなどして頂ければ嬉しいです。