2025年1月に1巻が発売された漫画の評価・感想です。少しネタバレがあります。
目次
1月4日発売の漫画
魔男のイチ|宇佐崎 しろ/西 修
#ファンタジー #能力系 #魔法 #冒険物
「魔法とは生き物である」世界。
魔法から課される「試練」に突破すると、魔法を習得できる世界。
魔女しか居なかったこの世界に現れた、ひとりの魔男のファンタジー。
テーマ
面白いなと思いました。
まず魔男というフレーズというか、存在がとてもインパクトがありました。魔女とは縁もゆかりもなかった主人公が未知の魔法の世界でどんな行動を起こすか、どう成長していくのかを楽しむ作品なのかなと思います。
ストーリー
良くなかったです。
全体的にあっさりしている感じがしました。重厚感がありシリアスな出だしをしているのに、この世の恐怖みたいな魔法をあっさりと倒して、そこからストーリーを始めるみたいな展開でした。
設定上仕方ないのかもしれませんが、1話にしてチグハグを感じ、物語の始まりとしては微妙に感じました。
絵
良かったです。
人の動作が特に印象的でした。迫力もリアリティも、キレもありでかっこよかったです。フォーマル寄りの絵は好みでしたが、2~3割あったポップ寄りの絵は序盤のストーリーとのチグハグを感じてしまいました。
キャラクター
普通でした。
主人公以外特に印象が残りませんでした。主人公は普段は明るく、シリアスな場面ではしっかり怖いタイプのまだありきたりなタイプな主人公という感じです。これからに期待です。
いろいろ
1巻時点ではそこまでの魅力を感じませんでした。特にポップな絵を挾む回数が多すぎて、個人的にストーリーやキャラクターの邪魔をしているなと感じました。テーマは僕ら一般人にはない着眼点でとても面白く、かつインパクトもあるので、良かったです。
ヤッターラ|大山田
#怪物 #日常系 #ドキュメンタリー
どこからか呼び入れられた謎の生物「ヤッターラ」。
人間を喰らうことが好きなヤッターラがより良い食事を求めて、子供を育てる?
子供たちと生活することで、どう感情が変化するのか。
テーマ
普通でした。
外の世界?から呼び入れられた謎の生物(人間を喰らうことが好き)が、人間と生活をする事によって、どう感情が変化していくのかを楽しむ作品なのかなと思います。
ストーリー
良かったです。
1話1話疑問の提起とその解答が分かりやすく説明、表現されていて分かりやすく面白かったです。徐々に開示されていくヤッターラの情報や、ヤッターラの最終的にどう決断するのかだったりとこれからのストーリーがどうなるのか楽しみな要素が多いです。
漫画1巻の終わり方も良かったです。
絵
可もなく不可もなく。
背景は細かく、黒と白の濃淡が綺麗です。人の絵はあまり好みではありませんでした。
世界観にマッチしている絵だと思います。
キャラクター
良かったです。
未知なる生物のキャラクター付けが上手く印象的です。独自の世界観で作られた怪しげな生物を1巻時点で、「かわいいかも」と思うくらいになりました。(絵がキャッチ―で、挙動も良かったです)
この生物の思考についても、置いてけぼりを喰らうことなく、思考・感情の変遷を追う事ができました。
若干説明は多めな気がします。
いろいろ
ヤッターラに興味を持ちました。見る前は表紙を見て、ナニコレ状態だったのですが、今は好きです。感想としてはこのタイプの漫画を読む事はあまりなかったのですが、途中で読み飽きることなく楽しめました。物語の世界観が良くて、この手の物語にはずれはないだろうなと思っています。
おすすめです!
しのびごと|みたらし 三大/たけぐし 一本
#忍者 #日常系 #バトル・アクション
現代の日本に忍者あり。
公安警察部隊として活動する1人の少年が護衛任務で女子高生を守ることに。
日常を護衛するため、学校に潜入任務することに…。
テーマ
普通でした。
現代で忍者が暗躍するというフィクション(恐らく…。)の世界で、対象に忍び寄る魔の手から己のみを駆使して守るバトル・アクション系の漫画です。テーマとしてはあまり目新しさは無いのかなといった感じでしょうか。
ストーリー
普通でした。
潜入任務をしている「忍者」と何故か狙われている「女子高生」の物語なので、1巻時点ではまだ関係性が出来ておらず、大きな出来事は無かったかなという感じでした。
次々と出てくる敵とのバトルアクションはとても爽快感があって魅力的ですし、テンポも良い作品だと思います。
絵
かなり良かったです。
バトルシーンは派手で迫力なシーンが沢山あり見応えがありました。かつやり過ぎてないので、読者側が今何が起こっているかが追いやすく、かなり良かったです。
キャラクター
可もなく不可もなく。
各キャラクターに派手さは無く、大きな印象は残りませんでした。それぞれのカッコよさの描写は多く、思惑通りカッコよさを感じました。(バトルシーンの影響が大きいです)
いろいろ
面白かったです。爆発的な面白さはまだ個人的に感じなかったのですが、全体的にまとまりが良く高水準だなと感じました。とても読みやすい作品でサラっと読めました。
サンキューピッチ|住吉 九
#野球 #スポーツ #甲子園
ただ強いスラッガーを求めて、夜な夜なグラウンドに現れる謎の男「野球狩り」。
その野球狩りは何と同じ学校にいた…。
テーマ
良かったです。
野球漫画と言えば完封yeah、ノーヒットノーランイェイyeah、完全試合yeahみたいなキャラの主人公が多いのかなと思います。現実でも好きな投手挙げろって言われたら先発を挙げる人が多そう。
この漫画は短期決戦のみの最大限勝負という所でかなり目新しさがあると思います。その瞬間に全力を捧げるって言う点は「甲子園」という舞台にもピッタリだと思いますね。
ストーリー
良かったです。
テンポ感が良いですね。まだ1巻ですが、着実に物語が進んでいることを感じます。各エピソードも面白く、回を重ねるごとに主人公の凄みを感じます。
読者視点だと、3球勝負という点で盛り上がりポイントが分かるのも嬉しいです。
絵
普通でした。
ピッチングシーンは3球に全てを込めると言ったテーマに相応しい力強い迫力があり、とても良かったです。その他のシーンは微妙でした。
キャラクター
かなり良かったです。
まず主人公が万人受けする魅力的な人間でした。大きなハンデを追っているにも関わらず、それを一切感じさせない元気ハツラツさで、存在感がピカイチでした。投球している時は破壊神、普段は変人みたいなギャップもほど良く「ザ・主人公」という感じでした。他人へのリスペクトを欠かさない点も良かったです。
一方で主人公以外はあまり印象には残りませんでした。(各キャラのエピソードは楽しく読めました)今後に期待です。
いろいろ
アツかったです。スポーツ漫画ならではの熱気や力強さに加えて、日常に加えるちょっとしたスパイスなどワクワクする場面が多くありました。1巻ながらこの漫画はこういう漫画だ!っていうメッセージを、それこそ主人公のストレートのようにぶつけられた気がしました。面白かったです。
1月6日発売の漫画
伽藍堂のガラクタたち|桑名 定理/伊丹
#コメディ #恋愛 #日常 #不思議
婚活で全敗中のサラリーマンがある日出会った古物商で働く美女と出会う話。
その美女は会う度、「これを買えば上手く行く<(`^´)>」とガラクタを売りつけてくる。
そのガラクタたちがもたらす変化とは?
テーマ
良かったです。
悲壮感漂うくたびれたサラーリマンに一筋の光を…。ベタですが、滅茶苦茶な女性に振り回されるサラリーマン見ている分には面白いですね。もう少しガラクタが活躍するシーンがあっても面白いのかなと思いました。
ストーリー
普通でした。
お互い遠慮のなく掛け合いながら、進めていくストーリーは面白かったです。言いたいこと言ったもん勝ちと言わんばかりの罵詈雑言や暴論は見ていてスッキリしました。自分の毒素までどこかへ飛んで行ってしまうような感じでした。ハートフルな話とギャグ寄りの話のバランスもちょうど良かったです。
絵
普通でした。
表情のレパートリーがとても多い気がして、所々に印象的なコマが散りばめられていました。
表紙が物語に少し合っていないのかなと思ったのと、最後のおまけ漫画のエロ要素は個人的になしの方が今後楽しめるのかなと思いました。
キャラクター
良かったです。
基本的には主人公のサラリーマンとヒロイン的存在の古物商美女どちらも癖のあるタイプで魅力的に感じました。登場するキャラクターも少なくて見やすいのと、周りのキャラ達を使って上手く主人公が引き立てられているなと感じました。
いろいろ
これからに期待です。
キャラクターは個性的だし、そのキャラ達の掛け合いは面白かったです。ただ、表紙だったりおまけ漫画の部分から漫画としての方向性はこっちの方に持っていきたいのかなと邪推してしまいました。なので、読む人を選ぶのかなとは思います。
1月7日発売の漫画
ダンジョンエルフ|リバー・スラン
ダンジョンエルフ 〜ダンジョンに宝箱があるのは当たり前ですか〜(1)
posted with ヨメレバ
リバー・スラン 講談社 2025年01月07日
RPGに欠かせない要素の宝箱。
幼い頃に誰しも目の前の宝箱に目を輝かせ、開けた後の一喜一憂を楽しんだのではないでしょうか。
ダンジョンエルフはそんな冒険者たちの為に、ダンジョンの奥地へと宝箱を置いてくるお仕事…。
テーマ
良かったです。
子供の頃、あんなにRPGをしたのに、「宝箱は一体誰が置いているのだろう?」なんて疑問これっぽっちも湧いたことありませんでした。。
例えば、現実世界で毎年あり得ない程の落ち葉が落ちているはずなのに、知らぬ間に綺麗な道路になっているみたいな (例え話上手じゃなくてすみません。)
注視していないと見過ごすことだけど、世の中誰かの行動によって普通さが保たれている的な、シンプルな様で実は奥深いテーマにびっくりの一言でした。
ストーリー
普通でした。
1話毎に色々なダンジョンに宝箱を置いてくるストーリーで一見代わり映えしないです。
ただ、多種多様なモンスターやダンジョンが登場するので飽きずに見れます。
これから冒険者との出会いや宝箱の中身の開示など気になる点は多くあると思うので、楽しみです。
絵
凄まじい。
ダンジョンというこだわればキリがないようなテーマの絵を、1コマ1コマ本当にこだわって書かれているのだろうなっていうのが伝わってきました。
繊細な絵あり、豪快な絵ありで見ごたえがあって、自然と何秒か見つめてしまうような絵でした。
キャラクター
良くなかったです。
現状主人公は可愛くて強いという印象しかなく、敵キャラの登場シーンも僅かです。
ただあれ程の画力の敵キャラを長々描き続けるのは労力がかかると思うので、仕方ないのかなとは思います。
いろいろ
とにかく絵が感動ものです。
絵だけで読み続けれるレベルだと思います。
加えてテーマも独創的なものなので、今後、宝箱を置きに行く際の出来事次第でより面白くなる作品だと思います。
タイムスリップしてくる人が徐々に増え続けているこの世界。
色々な時代から色々な人がやって来る日本では、彼らタイムスリッパ―をもてなすための「タイムスリッパーおもてなし窓口」が役所に設立された。
テーマ
面白かったです。
個人的にタイムスリップと言えば、とにかく派手で、重大な出来事なる印象を持っていたのですが、
そのタイムスリップがより日常的な世界。
確かに意図的じゃなかったら、急に知らない世界に飛ばされて一体どうなるんだって感じですよね。
良くある映画やドラマとかだと細かい部分はカット!カット!だと思いますが、そこに注目した漫画でした。
ストーリー
良かったです。
「タイムスリッパー達と苦悩や問題が発生→ 一緒に解決しよう」がベースのストーリーで、
タイムスリッパーと職員それぞれの感情の描写が適度にあって、関係性が積みあがっていく様子がよく感じられました。主人公の職員がまだ経験が浅いっていうのも一緒に成長していく感じがあって、良かったです。
絵
可もなく不可もなく。
絵に関してはあまり印象に残っていません。あらゆる時代からタイムスリッパーが来るという事で髪型や服装などは違いを感じられましたが、もう少しオーバーに表現しちゃってもいいのかなと思いました。
キャラクター
普通でした。
物語のテーマ的にどうしても派手さはないので、各キャラクターの印象は薄いです。ただ素直で正直なキャラクターが多いので、負の感情を全く抱かず、晴れやかな気持ちで読めました。
いろいろ
目新しさはあります。
が、続けて読みたいなとは感じませんでした。
どうしても「知らないことを知る」「この世界で生きる意味を探す」ことの繰り返しで、個人的に刺激が足りなく感じてしまいました。