今回はサッカー漫画「カテナチオ」を読んだ感想について綴っていきます。
ネタバレを若干含んでいるので未読の方でネタバレNGな方は、ご注意を。
※2巻までを読んで、現状の感想・レビューになります。
漫画「カテナチオ」の感想・レビュー
主人公・嵐木。
お前仙人か、何かか?
そう思える物語の入りでした。
高校生ながら「人生は既に3周くらいしてるのかな??」と感じる自立心に、
屋久島にある大樹くらい図太い芯。
最近の高校生は凄まじいなと感じたおじさんでした。
漫画「カテナチオ」のテーマ、伝えたいことは
サッカーって本当に面白いんだぞ!
なんじゃないかな。
……いや、ちょっと、かなり浅いですかね。
W杯決勝同点のままやってきたロスタイム、バロンドールを受賞している世界的FWがゴール前に抜け出した。
こんな場面最高ですよね!ワクワクやドキドキが止まりません。面白くない訳がない。
でもこれってサッカーを真正面から見た普通の面白さじゃないか?
と言いたそうに、サッカーのコアでマニアック、かつ筆者が根本と感じている部分を共有したい。
つまりまぁまぁニッチな部分のサッカーの面白さを伝える、そんな漫画なんじゃないかと感じました。
次に漫画「カテナチオ」の面白さ。
想像できないくらい狂気に満ちたサッカーを見せてくれるところ
じゃないでしょうか。
作中に「カテナチオ」の解釈が示されています。
そのイタリアの守備の要となる部分はどこにあるのか?
作中で以下の表現があります。
⇒ 迷いなく勝利に執着できる精神性こそがカテナチオ。そして、それは嵐木の在り方そのもの。
「精神性」に注目したサッカー漫画って結構珍しくないですか。
大体どんな漫画でも完璧なオールラウンダーじゃないけど、どこか1つ尖っているパラメーターがあるのが多い気がします。
ドリブルやシュート、パス、フィールドを俯瞰できる能力など、なんだかんだ分かりやすい能力を持っていることが大半です。
じゃあ精神性って何だろうか?
自分も良く分かりません。。
ただ筆者の中でサッカーにおいての「精神性」の解像度が高くて、
それを嵐木に投影している感じで物語が進んでいきます。
嵐木を見ていると、自分も精神磨かれている感じがします。サッカーに限らず大事な部分ですよね。
その精神性の解釈や考え方を見るのが、とても面白い作品です。(知的欲求なんですかね。)
持たざる者の下剋上ってやつも鉄板で面白いです!
最後に自分が好きだったシーン。
絶望していた嵐木が決勝後、雨のグラウンドでスカウトに声をかけられます。
⇒ 「人事を尽くして天命を待つ」その言葉通り彼の元にチャンスがやって来ました。
ここまではいいシーンだなという感じでした。
頑張ってる人が報われて、まだ嵐木のことそんなに知らないけど、良かったなあって。
そして嵐木の元を離れたスカウトが後に言った言葉がアクセントがあって、個人的に好きでした。
彼が必ず成功する必要はないんだよ、可能性はわずかでいい。彼はうちの他に行く当てがない。こちらの言い値で契約できる。
つまり、失敗したところでこちらに大した損失はない。
… 彼の人生のリスクなんて どーだっていいんだ
スカウトのおじさん悪魔の様な目をしていましたよ笑
最高でした。精神性に重きを置いた漫画って感じがして。
まとめ:漫画「カテナチオ」の感想・レビュー
漫画「カテナチオ」の感想について語ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
少し大人なサッカー漫画で、今後のサッカーに対する見方を変えてくれるような漫画かと思います。
粒だった登場人物が多くなく、嵐木の存在感が大きいので、
狭く深くシンプルに、ディフェンダー目線でのサッカーの面白さを楽しめる作品です。
良かったら読んでみてください。
カテナチオとは「扉に鍵をかける閂(かんぬき)」のこと。鍵をかけたように堅いイタリアの守備を指す言葉らしい。