【Movie Diary No.3】壮大なドミノ崩し「暗黒街」

今回は映画「SUBBURA(暗黒街)」を観賞したので、その感想を書いていきたいと思います。

悪徳政治家フィリッポは、ローマ郊外の静かな港町オスティアをラスベガス化する開発計画を進めていた。しかしある出来事をきっかけに、彼の計画は利権を狙う悪党たちの血で血を洗う抗争へと展開していく。

 

では早速書いていきたいと思います。

ここからネタバレを少し含みます。この映画は過激なシーンが割とあるので、そういったモノが苦手な方はお控えください。

 

俳優さんたちの演技がスゴイ!

 

個人的に、暗黒街の感想として真っ先に思いつくのは、俳優陣。シーン的にも、大勢でがやがやというより、1対1で話すシーンが結構あって、それぞれの俳優の表情であったり、目力、立ち振る舞いなど、とてもくぎ付けになった印象。その中でも、特に印象に残った俳優さんを紹介したいと思う。

 

ピエルフランチェスコ・ファビーノ

マルグラーディー役。政治家。

暗黒街は正直誰か主人公かわからない感じだったけど、事の発端に近い人物。

演技の印象として完結に表そうとすると、ワイルド、ハード、目力すごい。…のだけど役的には、情報弱者なのかな。地位的には高いが、それゆえ弱み握られ、終始とりとめのつかない感。

一番印象的だったシーンは、息子をさらわれた後にお店で、サムライに「なんとかしろ」と懇願していたシーン。心情的にも演技なのか?と思うくらいリアルに表現していて、見惚れた。

主な出演作品:ワールド・ウォーZ 、ナイトミュージアム etc…

 

 

アレッサンドロ・ボルギ

アウレリアーノ(ナンバー8)役。オスティアのギャング。海の上の家。

多分一番出演時間長かったんじゃないかな?ともかく存在感があった。終盤になるにつれて、心がすり減っていくような感じになるのだが、様相と目がそれを物語っていて感情移入させられた。

このすぐ誰かに責任をかこつける暗黒街で唯一、まっすぐだったような気はする。巻き込みはするけど、結果、彼女は身体的に傷つけられないし、、

この俳優さんも目力がすごくて、かつ瞳がきれい。

主な出演作品: ダリダ

 

 

クラウディオ・アメンドラ

サムライ役。割とニュートラルな存在でいろいろなところの人から一目置かれているフィクサー的存在。眼鏡をかけている。

この俳優さんは沈黙しているのに間が持つ、というよりむしろ雰囲気が出る。1対1の話している場面が多い、こういった映画だと抜群にコマが映える。

主な出演作品:プロヴァンスの恋

 

アダモ・ディオニージ

マンフレディ・アナクレティ役。マフィアのボス。体が大きい。

弟が殺され、怒り狂うマフィアのボス。その演技派とにかく迫力がスゴイ。ギャングの役が凄く合っていて、言葉の重みと怖さがスゴイ。

セバに対する恐喝がほんとに凄くて、日本で言うアウトレイジ的な要素を持っている。

主な出演作品: Pasolini etc…

 

他にもたくさん魅力的な俳優さんが出演されていますが、このくらいにしときます。。。

全体的な印象としては、

  • 会話シーンでかなり間があることが多いが、それでもなお、間を持たせられる方が多い。
  • それぞれのキャラが優位に立ったり、劣位に立ったりするので、いろいろな表情をしている・見れる。

※ ただ序盤は役が多すぎて、なかなか立ち位置だったりを整理できません( ;∀;)

 

 

映像がとても綺麗で、また練られている。。

 

ココに関しては、うまく伝えられない気がするので、箇条書きにさせてもらいます。

 

雨のシーンが多い

☞ 退廃的なイメージ。こういった題材の作品にとてもあっていて、世界観バッチリ。

 

引きの映像が多い

☞ 前述したようにこのドラマの見所というか、多いシーンが1対1で話すシーン。表では真面目そうにしている人も裏ではいろいろなところで、違った職業・背景を持つ人と交渉する。もちろん、政治家ということで知られたくないことのオンパレードであるから、必然的に1対1のシーンが多くなる。

その一方でこの暗黒街の映画の魅力の一つに引きの映像がたまらなくいいことを挙げたいと思う。
(余談:私は無類のサッカー好きだ。する方はさっぱりで、観るほう専門である。そしてサッカー観戦が好きな理由の一つにフィールド全体が常に何かしらのアクションを起こしているという理由がある。例えばコーナーキックを蹴るにしても、みんながそこにいるのではなく、カウンターに備えて自陣にいるプレイヤーもいる。といった具合に引きで見る映像は全体の動きを追いやすく、また情報があふれているのだ。そこが好き)
特に印象的だったシーンは銃撃戦が繰り広げられた、スーパー、モールのシーンだ。前半のちょっと説明よがりな展開から一転、とてもいいアクションシーンだった。明るさ的に、暗いシーンが多かった中、明かりがあり人気もあるスーパーなどでの銃撃戦ということで、より迫力が増し、緊迫感があった。

 

カーアクションが見もの

☞ ストーリーで押してくる作品だと思っていたが、カーアクションもとても迫力があった。シーンとしてはおそらく最初の方に1回と、中盤辺りに1回くらいしかないと思うのだが、印象に残っている。前半のは引きの映像。何気ないシーンでアクションという感じではないのだが、暗黒街という名にふさわしい、静的なコマが多かった中、荒れている感じを見事に醸し出していた。中盤辺りのは寄りの映像で、かなり目線も低かったので、臨場感があり、わくわくした。

 

ローマの街並みが綺麗

☞ 日本語の映画名で暗黒街という題だけど、綺麗すぎた。 家・道路・教会・海など至る所が映像美ですごいローマのPR映像になると思う。。

 

もちろん内容もそうなんですが、絵が綺麗な映画は引き込まれますね!

 

用語集( `ー´)ノ

アポカリプス

黙示。初期のユダヤ教およびキリスト教において、神が選ばれた預言者に与えたとする「秘密の暴露」、またそれを記録したもの。(Wikipedia)

オスティア

イタリア ラツィオ州 ローマの第10区(ムニチーピオ)にある町。北部にオスティア・アンティカという観光地がある。(Wikipedia)

暗黒街ではナンバー8達が住んでいたところ。

 

もう一度見たいBESTシーンたち

 

・マンフレディが最後、凶暴な犬小屋にぶち込まれるところ。。

あのシーンは最高だった。今まで保身のため、マンフレディに尽くしてきたセバがようやくやり返したシーン。こちらからしてみれば、充分遅いくらいだった。それくらい、マンフレディはくそだし、よく我慢できたなというところ。何かしたところで、約束を守らないことはセバ以外誰でも分かるだろうと思う。

 

・最後サムライが殺されるところ。。

個人的にはかなり好きな展開だった。結果ヴィオラが殺しに行ったが、あの場は誰でも当てはまりそうな感じだった。主人公があやふやな暗黒街で、ヴィオラが殺したことに意味を感じた。やっぱり愛を踏みいじられるのあ、一番の復讐理由になるのかな…..

 

・首相官邸前に民衆がたかるところ。。

ただただ迫力に気圧された。一つの罪がもう一つの罪を呼び、積み重なってとんでもないことになった。あのシーンを入れなくても成立していた思うが、あのシーンがあったことでさらにグレードアップしたと思う。

 

 

映画「暗黒街」について書いてきましたがいかがでしたでしょうか?ストーリーはもちろん、ひとつひとつのコマが丁寧に描かれていて、ハードだけど美しい作品だと思います。是非気になった方はU-NEXTで31日無料トライアルを実施しているので、観賞してみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です