【Movie Diary No.1】追い込まれたときに出る、本音はおもしろい「神さまの言うとおり」

 

今回は邦画「神さまの言うとおり」を見たのでその感想を綴っていきたいと思います。

 

 

milacle point    (個人的に好きだった度合い) : 58/100
milacle review     (無理やり一言でレビュー)   :  2時間で纏めるのはかなり難しそうに感じたが、ラストは惹きつけられる…はず

 

平凡な日々を送っていた高校生が、不条理なサバイバルゲームに巻き込まれる姿を描いた人気コミック(原作:金城宗幸/作画:藤村緋二)を、「悪の教典」の三池崇史監督が実写映画化。高校生の高畑瞬は、退屈な日常にうんざりしていたが、ある日突然、教室にダルマが出現し、命をかけた授業の開始を告げる。ダルマや招き猫、コケシ、シロクマ、マトリョーシカといった物たちが不気味に動き出し、彼らが出す課題をクリアできなかった者には、容赦のない死が待ち受けていた。主人公・瞬を「あまちゃん」「イン・ザ・ヒーロー」の福士蒼汰が演じ、第7回東宝シンデレラ審査員特別賞の山崎紘菜がヒロイン・秋元いちかに扮する。そのほか、暴力的な問題児・天谷武役の神木隆之介をはじめ、優希美青、染谷将太ら注目の若手俳優がそろう

映画.com より引用

 

ここから先は少々ネタバレを含みます。気を付けてお進みくださいませ。

 

それでは感想を書いていきたいと思います。まず全体の感想としては、万人するわけではないけれど、「考えることが好きな人」や「クオリティーより世界観を重視する人」は楽しめるかと思う。

その理由は、

  1. 命を懸けるゲームの作りが良くて、その状況における緊張感も相まって、いろいろなことを考えさせられる点
  2. デスゲームならではの世界観はあるけど、リアリティーはあんまりなくて入り込めないところはある点

 

とにかく世界観はとてもすごくて、私たちの日常では考えられないくらいのことが起こる。なんといっても「だるまが話す」「一番初めのゲームでもうクラスメイトがいなくなる」という、それだけで一本作れそうな感じのインパクトがある出来事がコンスタントに起きて、物語が展開する。

ここで少し「神さまの言うとおり」のストーリーを…

この物語の世界にはひとり神様がいて、その神様が次の神様を決めるべく、人間に向けて選抜試験を課します。(その神様も元々は人間)

その標的となったのが高校生で、高校生たちは急に訳も分からず巻き込まれ、神様が課したその選抜試験(命がけのデスゲーム)をこなしていくのです。

もちろん理不尽に憤りを感じている人もいれば、「くだらない」日常に嫌気がさしてたからウキウキ?してる人もいます。

そんな命が懸かっている状況での、人間の心理やオリジナリティあふれるゲームが魅力のお話です。

 

次は魅力の一つである各あるデスゲームについて掘り下げていこうと思う。

原作と映画で少し相違点があるので、今回は映画のゲームについて話していきます。
ゲーム/内容 キャラ・ゲーム おもしろさ
1.「動いたら、さようなら」 だるま・だるまさんが転んだ ★☆☆☆☆
2.「お背中かい~の?」 招き猫・バスケ ★★★☆☆
3.「後ろの正面だーれ?」 こけし・かごめかごめ ★★★☆☆
4.「嘘つきは大っ嫌い」 シロクマ・? ★★★★★
5.「缶けりできる?」 マトリョーシカ・缶けり ★☆☆☆☆

 

1.「動いたら、さようなら」

このゲームは個人的にはおもしろくなかった。映画自体もこのゲームから始まるが、少し雑な始まり方だと思う。おそらく、原作を見てないと置いてけぼりを食らう。そしてもうげんなりポイントがもう一つ。血がリアルではない点。ビーズかなんかなんですかね?少し安っぽさを感じた。あと数少ない友達として描かれているであろうサタケ(染谷将太)がすぐに死んでしまう。にもかかわらず、回顧シーンは多めで、この「神さまの言うとおり」を映画にするのに、もう少し他のシーンを多めにする方が良かったと思う。ただただ「だるまさんが転んだ」で動いたら人が死ぬという感じで面白さはなかった。

 

2.「お背中かい~の」

デスゲームのおもしろいところ「追い込まれた状況で何を考えて、どう行動するか」が少しですけど描かれている。あとここいらで主人公・高畑瞬(福士蒼汰)の頭の回転の速さであったり、周りとは少し違う感も漂わせている。また準主人公・天谷武(神木隆之介)が印象的。神木隆之介のこういう巣の人間を見せる演技は、とても魅力的で、たまらない。ゲームとしても作りこまれているのでおもしろい。

 

3.「後ろの正面だーれ?」

このゲームは一番生々しくてグロかった。ゲームとしては単純であるが、「誰かの死」に慣れてきた主人公が冷静にゲームを攻略していくので、見やすさはとてもある。それにこのゲームで出てくるちょい役の田岡由美(荻原みのり)の演技がとてもリアルで怖くてよかった。ただここでも主人公と中学で同級生だった人物との回顧シーンが長めに取られている。もちろんそういった人間関係を写したうえで引き裂くってのも良いが、そういったシーンを引っ張ることで肝心のゲームはなんだかおざなりになっている気がした。方向性が分からなかった。

 

4.「嘘つきは大っ嫌い」

このゲームはとてもおもしろい。いい点がたくさんある。まず一つのゲームとして起承転結がすっきりしていて、なおかつひねりが効いていると思う。またひとりひとりの本音や性格もうまく表現していると思う。自分は分かっていると達観してる人、思ってもいない展開に疑心暗鬼になっている人、他人に罪を擦り付けようとする人、諦めず攻略しようとする人、いろいろな人がうまく描かれている。一番秀逸だと思ったのは主人公に「自分自身は好きかどうか?」という質問を投げかけたところである。ここまでゲームを通して秘めたる凄さを発揮してきたけど、それでもやっぱり「自分のことは好きななれない」という葛藤?が良く分かると感じた。

 

5.「缶けりしたならオワリ」

ゲームとしての作りは非常に雑に感じた。まず個人的に納得できてないのは、本当に神は新たな神を選抜する気はあるのか?というところだ。一応のところこれはこの映画のラストのゲームであるという括りであるというにもかかわらず、残っている5人のうち活躍するのは2人だけ。「なんだかなぁ」というもやもやが残った。

缶けりというゲームに関してはおもしろくはなかったが、終わってからの最後の展開は個人的に割と好きだった。安堵させたうえでの一気に現実に突き落とすとこなんかは、非常にデスゲームっぽくて好きだし、割とメインのキャラであるヒロインにも容赦なくいくところ良い。

 

ゲームに関して以外のことを言うと、一番「ん?」と感じたのは実際にデスゲームに挑む高校生以外の描写である。いくらお祭り好きの人が多いといってもあれはない。ありえない規模で高校生が虐殺されていっているのに、それ以外の人間が「神の子だ!」と世界を上げて喜んでいる。この作品は高校生以外まともな人間はいないのか?と感じさせるほど、理解できない描写であった。そういった世界観を描きたいなら、前もってこういう設定ですよ~っていうシーンを入れてほしいし、むしろもう少しゲームの部分に注力した方が個人的にはおもしろかったと思う。

ただ原作がある中で実写するのは難しいことだと思うし、かつ設定が複雑である中で2時間にまとめるのは困難だ。それでも普通に楽しめたし、原作を知らない人も「こういう作品もあるんだ」と新たな発見があると思う。無理やりなところもあるけど、ラストシーンは個人的にとても良いので、深いことは考えずに見てほしい作品である。

 

 


VODサイトのhuluで紹介した「神さまの言うとおり」が視聴できる(2018・12月30日現在)ので気になった方は是非!初めて会員になる方は2週間までなら無料です。それ以降は月額約1000円で映画・ドラマなどおよそ50000本以上が楽しめます。


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