【Movie Diary No.2】絶対的主人公のヒーローが好きな小学生「暗黒女子」

今回は邦画の「暗黒女子」を観賞したので、その感想を綴っていきたいと思います。

milacle point    (個人的に好きだった度合い) : 88/100
milacle review     (無理やり一言でレビュー)   :  物語の流れが完璧すぎる。

 

個人的には予告編を見ずに本編に入った方が絶対楽しめる作品で予告を見てしまうと、面白さが半減してしまうと思うので、初めて見る方は、この作品に関しての情報をシャットアウトすることをおすすめします。

 

ミッション系の女子高である聖母女子高等学院を舞台に、同校の女子生徒で生徒たちの憧れの存在であった白石いつみの不可解な死を巡って疑いの目を向けられた文学サークルのメンバーらが朗読で各々犯人と思う人物を告発する物語。 Wikipediaより

 

ここからはネタバレを含みます。

 

物語の進め方が抜群にいい!

 

 

序盤

クライマックスに向けての丁寧なストーリー作りと伏線が魅力

個々人がそれぞれの主張で犯人を主張していくスタイルで物語が進められていく。しかし主張が限定的すぎというか、もう各々が「犯人はあなただ!」と、朗読という形で指名していく。その指名される犯人はそれぞれが違っていて、「なぜいつみは死んだか?」と「誰にいつみは殺されたか?」というこの物語の答えが一向に見えてこない。

ただそれぞれのメンバーのいつみに対する軽い「不満」「怒り」などは丁寧に描かれていて、後で理解するのにすごく分かりやすい。(しかし、この「不満」「怒り」はいつみを憎む動機に直結してこないところが、展開的にとてもいい)

また、最初に「いつみ」は死んだっていうことを客観的に植え付けられているので、いつみ=悪い の頭が持てなくて、結果4人の証言を疑ってしまうというとても良い設定だと思う。

それに、謎の種明かしには及ばないけど、ヒント・伏線もあり、おもしろさを増大させていたと思う。例えば、

  • いつみが彼女の父と険悪なムードで車に乗り込んだシーン(『太陽のような人』)
  • 小南の作ったお菓子をいつみが食べなかったシーン(『太陽のような人』等)
  • いつみが君影草の翻訳をしたいと言ったシーン(『紅い花』)

など、よく考えればなぜだろうと思うところがいくつかあった。ただし、このはじめに、さゆりの話は朗読されなかったので、どういう形で「いつみの死」に関わっていくのか、良い疑問が残った序盤であった。

 

 

中盤

視聴者の予想を裏切る展開(予告を見ていない人に限ります。)で物語の雰囲気が変化。

4人の主張が終わり、どう展開していくの見ものでしたが、まさかのいつみ本人が書いたものをさゆりが朗読。

ここで空気が一転した。

太陽のような存在、女神と崇められていた女性に裏があった。
まだ物語の中盤だというのに、この時まで紡いできたいつみという人間をぶっ壊した。いつみを演じた飯豊まりえの演技も見事であった。現実味はなかったけど、いつみという人間の「おもて」の朗らかで気さくな部分と、「うら」の強かで、利己的な部分が非常に視聴者にとって分かりやすい演技をされていたと思う。
(特に屋上で仮自殺するシーンは良かった。この物語で表されるいつみの性格をほんとそのままに映し出していたと思う。)

またこの中盤、視聴者目線で一気に立場が逆転した。

4人の文学サークルメンバー --ーー➝ いつみ

いつみ ----➝ 4人の文学サークルメンバー

4人のサークルメンバーの誰かがいつみを殺したのか?という物語から、いつみが4人のサークルメンバーを操るという物語に構図が変化した。(ここで予告を見ず、本編を見たことが当たりだったなと…)

この中盤で一気に4人の話が、自分の悪いところだけを切り取ったホントの話であった話でことが分かり、いつみが一気に悪女のトップに立った。ここで終わらせないのがこの物語のいいところだ。

 

終盤

一気にホラー調に!最高のクライマックス。

いつみが生きているのか?という話の流れの中、ここで影のコンダクターが姿を現す。一番、いつみと仲が良かったはずの人物、さゆりだ。今までの話では、一番いつみを殺す動機がなさそうであったが、結果殺したのはさゆりだった。いつみ次第で人生が破綻するレベルの秘密を握られ、殺す動機が十二分にあった4人とは違い、ただいつみが自分が思っているいつみとは違ってしまっていたという、気持ちとしては理解はできるが、動機としては、彼女自身にしか納得できないものだ。

(圧倒的主人公気質で女王様のような存在 ☞ 好きな人と普通の生活さえできればそれでいいという、さゆりの価値観で凡庸な存在)

一般的な感想だと、ようやくいつみは大人になったのだろうと言うのが普通であろう。

ただ、さゆりは一番身近な存在で、いつみと接してきた、毒されてきたのだ。文学好きということで、主人公さがずば抜けている、いつみを見て、まるで自分自身が物語の中にいる感覚に陥ってしまったのかもしれない。

結果として、さゆりが創作した作品はなかったが、この映画自体が「主人公」さゆりの作品になった。

そしてこの難しい役どころを演じたのが清水富美加、とてもすごかった。序盤は親友を後輩に殺されて、静かな怒りをこみ上げている表情、そして前半の展開からは全く予想できない狂気を、クライマックスで爆発させた。演技力のあるさゆりを演技する、本当に鳥肌でした( 怖さも含めて(‘_’) )

演出が丁寧( `ー´)ノ

 

 

印象的だったのは朗読するというスタイルと暗い部屋や音楽など。。。

朗読というスタイルのおかげで凄い物語が頭に入ってきた。サークルメンバー4人それぞれが朗読するという形で、だいたいのあらすじはナレーションで掴めた。ナレーションも同一人物だったが、後輩ということでリアルでは「いつみさん」、物語の中では「いつみ」と呼び捨てにされていたので、混在されずに済んだ。

暗い部屋に関してだが、個人的に好きではない。緊迫感やドキドキはあるものの、目が悪いというのもあるが、視覚情報がほとんどないので、細かい動きやコマの移り変わりが追いにくいからだ。しかし「暗黒女子」は暗いシーンの中でも工夫がされていた。んな表情してるんだろう?というところで「かみなり」を使い、顔を照らしてくれていた。わざとらしさはあったけど、それぞれの女優さんの表情はとても印象的だった。特に、小島梨里杏はまるでほんとの犯人かのような表情をしていたと思う。

最後に音楽について。特に良かったのは4人の朗読における「それぞれ犯人は誰と思うか?」というターニングポイントで映画「アマデウス」で流されたモーツアルトの交響曲 第25番 ト短調 K.183 第1楽章 。4人の自分にとってのいつみの存在は関係性は違うものの、少し飽きやすさはあるが、この一曲があったことで、まるで「ここからは聞き漏らさないでください。」と言われているようであった。

 

「暗黒女子」の感想を書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?最後の後味の悪さはあるものの、作りこまれたストーリーと、犯人が移り変わっていくと共に、それぞれのキャラの印象が変わっていく様はたまりません。是非サスペンス・ミステリー好きは見てみてください!

 

 

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