今日は
カンギバンカ
について書いていきます。
カンギバンカのあらすじ
戦が蔓延していた戦国の世で、民は飢え苦しみ、己より更に弱きものを狩る負の連鎖は止まりませんでした。
両親を失った孤児・九兵衛、甚助兄弟も明日を生き延びる為に精一杯生きていました。
ある日九兵衛たちは、奴隷として売られるところを、野盗団の棟梁・多聞丸に救われます。
乱世で成り上がり、「奪い奪われることのない場所(くに)をつくる」という夢、そして大名を目指すという野望を語る多聞丸に、いつしか九兵衛は生きる意味を見つけるのでした。
タイトル:カンギバンカの意味
気になってタイトルであるカンギバンカの意味を予想してみました。
◆ カンギ【諫議】
⇒ 天子をいさめて、国政のことなどを論じること。
天子…天命を受けて天下を治める者の意
◆ バンカ【万化】
⇒いろいろに変化すること。
カンギバンカの評価・感想
面白さ・ストーリー・ユニークさ・絵・読みやすさの5つの要素に分けて漫画「カンギバンカ」の魅力を語ります。
個人の評価に基づくので、ああそう思ったんだなくらいで流してください!ネタバレ注意です…!
持たざる者が成り上がる様子は見ていてやっぱり面白いな~と思います。
物語の始まりで
『将軍暗殺 東大寺焼き討ち そして仕えていた主家の乗っ取り 正に“戦国の梟雄”にふさわしい悪業…!!』
梟雄…強くも狡猾な人間のこと
と主人公が表現されていて、読む前はどんなに悪い奴が主人公なんだと思っていました。
しかし、読み進めていくと「えっ、えっ」と口がポカーンと開くほどのいい奴。
このいい奴が何をきっかけに「悪」となっていくのか、それとも評判は「悪」だが、実際は「義」であるのか…
タイトルにある通り、移り変わって行く主人公の感情や状況を第三者として見ているのが、ワクワクする漫画です。
まだ物語の序盤という事でこの点数にしました。
既刊が2巻で連載されて間もない漫画ですが、ストーリーの「起」に当たる部分が上手く描けているなと思いました。
面白さのところで言った序盤の主人公の悪役イメージから、少年時代はいい奴だったと起伏を付け、読者にこの後どんなドラマがあったかと想像させます。
また、1巻の終わりが最強すぎて、細かなストーリー展開も魅力的だなと思います。(1巻読んだ奴は絶対2巻読ませるマン)
ユニークさと言われればどうなんですかね?あんまり感じないかな~
キャラクターたちも人数はかなり多いですが、みんなどこか王道な性格な気がします。。
でも王道な物語だからこそ面白さにも繋がると思うので、そこは一長一短なのかなと思います。
絵は抜群に上手いですね。
最近見た中では背景の上手さは一番グッと来た漫画です。
擬音もとても惹きこまれる表現が多いですし、どこか闇を持った少年の表情のバリエーションも多くて絵だけでも読みたいと思える漫画かな~と思います。
リアルな血や強い者は弱い者から奪い、弱い者は更に弱い者から奪う表現の絵も細かい描写でしたが、こだわりを感じさせる上手さで、全体的に絵のレベルが高い漫画です。(読み飛ばしは許しまへんで…)
絵がしっかりしているので、非常に読みやすい漫画です。
歴史小説をベースにした漫画ですが、いい意味で堅苦しさを感じさせず、漫画への落とし込み方が抜群だなと思いました。
また、少年時代編から始まっていることもあるのか、テンポが速いです。加えて、テンポが速いことによって雑になる様な部分も感じさせないので、総じて読みやすい漫画であると言えます。
カンギバンカで印象に残った言葉
カンギバンカ1巻を読んで印象に残っている名言的な言葉を紹介します。
「 俺は死なぬ為だけに生きている 」 (九兵衛)
「 強い者が弱い者から奪い 弱い者は更に弱い者から奪う
生きようと思うと同時にそのようにしか生きてゆけぬこの世に 俺はほとほと嫌気がさしている」 (九兵衛)
「糞みてぇな世の中だ どこまで行っても奪い奪われるならつくるしかないだろ」(多聞丸)
「俺たちは死なねぇ 夢が死なぬ限り 旗は俺じゃねぇ 旗は夢だ!!」(多聞丸)
カンギバンカの作品情報
作品情報 | |
---|---|
作者 | 漫画 恵広史/原作 今村翔吾 |
出版社 | 講談社 |
レーベル | 週間少年マガジン |
ジャンル | 時代物/歴史/バトル |
巻数 | 2巻(2021/5/7現在) |
最後に
『カンギバンカ』について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。
「BLOODY MONDAY」の作者・恵広史さんの最新作だという事で、今後に期待の作品です。
歴史物という難しいテーマの作品ですが、小説の原作があるので、安定して面白い漫画になると思います。
また、絵も流麗で読みやすく、取っ付きやすい作品だとも思います。
是非気になった方はカンギバンカを読んでみてください。