【Comic Diary No.7】個性爆発!?キャラ付けが上手いスポーツ漫画「弱虫ペダル」

 

漫画は読者にどこまで情報を伝えればいいのか?

 

キャラクター・設定・背景・過去・思考・性格

 

あまりにこのような情報が多いと、本当に伝えたいことや伝えるべきことが見えなくなってしまう

 

その点、今回紹介する漫画「弱虫ペダル」はその点シンプルである。

 

キャラクターを伝えることをメインとして据えて、そのキャラクターの情報を「ロードバイク」といった漫画としては目新しいテーマのスポーツのシーンから描き出される

 

弱虫ペダルの魅力

 

漫画として目新しい題材

 

まず挙げられる弱虫ペダルの魅力は「ロードバイク」を題材に扱っていることだと思う。

スポーツ漫画の要素で欠かせないもののひとつとしてリアリティがある。どれだけそのスポーツの熱量を伝えようとしても、リアリティがなければ読者はついてこないんじゃないかと思う。

日本でメジャーなスポーツ(野球とか、サッカーとか)であればあるほど、それだけそのスポーツを知っている読者が多いので、リアリティを描く難易度が上がる。

 

その点において「ロードバイク」を漫画のテーマとして選んだことは素晴らしい

 

読むに至るまではなかなか大変だと思うが、読んでからの読者の取り込みがスゴイ

読者にとって分からないスポーツを難しく描くことなく、そのスポーツの良さを伝えてくれている作品だと思う

また主人公がロードバイクの才能のある「初心者」という設定もあって、いちから「ロードバイク」について説明してくれている点も良い

 

事実「弱虫ペダル」の影響で「ロードバイク」を始めた人も少なからずいると聞くし、街で見るロードレーサーの数多くなったな~と感じるので、とても影響力のある漫画だと思う

 

キャラクターの見せ方

 

弱虫ペダルはキャラクターの見せ方が非常に上手い

どうしてもキャラクターの数が多くなってくると、似たようなキャラが増えてしまうのは必然なのかもしれない

が、弱虫ペダルはそれぞれのキャラクターのエピソード(過去)をしっかりと伝えてくれる(間延びしてしまうというデメリットな部分もあるが…)のでどのような思いでロードバイクをしているかだったり、取る行動の裏付けみたいなのがとても分かりやすい

 

このようにひとりひとりのキャラクターについて丁寧に描いてくれているおかげで、よりその熱量が伝わり、感情移入が出来る作品だと思う

 

スポーツ漫画としての熱さ

 

ロードバイクって個人競技じゃないの?

読み始めたころはそう思っていたが、全く違った

 

もちろん個人競技のスポーツ漫画でも熱い!漫画はたくさんあるが、チームスポーツだと掛け算のようにひとりひとりの思いが伝わり、熱さが生まれる

弱虫ペダルもチームスポーツならではの熱さがとても描かれていて、こころが高揚する作品だと思う。他のスポーツと比べても圧倒的に競技時間が長いので、終盤に向かうにつれて思いの丈も強くなって、終わった時の「うわ~~~~~」って感じがたまらない

 

瞬間を書くうまさ

 

実際にスポーツをしてみたり、見てみたりしたら分かるが、漫画と比べてそれは静かなもの

  • 声も聞こえるけど、なかなか伝わるもんじゃない
  • 相手の思いなんて見えるもんじゃない

 

つまり何が言いたいかというと、プレイ中に考えていることはあっても目には見えないということ

瞬間、瞬間の出来事過ぎてなかなか追えるもんじゃない

弱虫ペダルはその追えない瞬間、瞬間を深く丁寧に追ってくれている漫画だと思う。

 

 

作品情報

 

あらすじ

千葉県立総北高等学校の新入生・小野田坂道はアニメやゲーム、漫画や秋葉原を愛するオタク少年。中学時代にオタクの友達ができなかった彼は、高校こそは友達を作るためアニメ・漫画研究部に入ろうとするが、部員数減少のため活動休止中であると知り、活動再開に必要な部員数を集めようと思い立つものの、部員は集まらなかった。

そんなとき坂道は、同級生の今泉俊輔から自転車レースを挑まれる。中学時代に自転車競技で活躍していた今泉にとって、学校裏の斜度20%以上の激坂をママチャリで、しかも歌いながら登坂する坂道は“信じがたい光景”であった。「坂道が勝てばアニ研部に入っても良い」と今泉に言われ、勝負を受けた坂道だが、あと一歩のところで惜敗する。それから数日後、坂道は関西から引っ越してきたばかりの少年・鳴子章吉と友人になる。鳴子は中学時代に自転車競技で活躍しており、ひょんなことから坂道はその実力を知ることになる。

2人との出会いで今までに経験したことのなかった“自転車で速く走る楽しみ”を見出した坂道は、アニ研部の部員集めを諦め、自転車競技部に入部する。小学生のときから自転車で秋葉原に通い続けていた坂道は、知らず知らずのうちに上り坂に強いクライマーとしての基礎能力が鍛えられており、その資質を見出されたことから、先輩部員でクライマーの巻島裕介の指導を受けることになり、才能を開花させていく。

Wikipediaより

 

作者 渡辺航
出版社 秋田書店
掲載誌 週刊少年チャンピオン
レーベル 少年チャンピオン・コミックス
巻数 63巻

 

63巻では長岐に渡った2年目のインターハイがようやく決着し、これからどんな感じになっていくのか見ものです

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

 

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