今回は映画「溺れるナイフ」を観賞したので、そのあらすじの紹介や感想を書いていきたいと思います。
目次
「溺れるナイフ」のあらすじ
東京で雑誌モデルをしていた美少女望月夏芽は、ある日突然父の故郷である浮雲町(うきぐもちょう)に引っ越すことになる。東京から遠く離れた田舎町には刺激がなく、自分が欲する「何か」から遠ざかってしまったと落ち込む夏芽だったが、長谷川航一朗(コウ)に出会い、強烈に惹かれていく。
「溺れるナイフ」の主な登場人物
望月 夏芽 ー 小松 奈菜
あらすじにもあるように雑誌の表紙を飾るモデルだったこともあり、引っ越し後すぐでも、クラスで一目を置かれる存在。コウのことが好き。
中学生でもここまではしないだろうというくらい無邪気で、笑ったり泣いたり、感情表現が豊かだった。海に飛び込むシーンがあったり、基本的に水にぬれているシーンが多く体を張っていた。
長谷川 航一朗 ー 菅田 将暉
田舎のえらいさんとこの息子で、どこか危うさを感じるミステリアスな少年。
火祭りの際の白装束が白い髪と相まってまるでどこかの仙人じゃないかってくらい、見た目が半端なかった。
大友 勝利 ー 重岡 大毅
コウの親友で明るく、優しい性格で夏芽のフォローもする。
長回しのシーンが多くて、少し危うさを感じた場面もあったけれど、たぶんほとんどそのままの口調と動きがとても自然で、役に合っていたと思う。
松永 カナ ー 上白石 萌音
夏芽のクラスメイト。
中学生 ☞ 高校生の変化にびっくり。現役高校生も驚きの高校デビューってくらい同一人物には見えなかった。紹介した4人の登場人物のなかでは、唯一中学生の役でも違和感なく見れた。
「溺れるナイフ」の感想
いいなと感じたところ
自然豊かなロケ地
まずいいなと思ったところは、自然あふれる映像美です。違和感を感じたカットもところどころあったけど、総じて綺麗な映像だった印象。
とにもかくにも景色がいい。「溺れるナイフ」が推している点である海での撮影はもちろんのこと、緑いっぱいの森、波止場の風景、夜のたんぼ、ポツンとある民家など映像とおしてでも、その場所の魅力が伝わりました。
自然現象もまるでPVを見ているかのように、綺麗にとらえられていた思います。制作期間17日という破天荒さらしいですが、海でのカットではこれでもかというくらい綺麗な波を連ねていたし、自転車を乗っているシーンもすごく見やすかったと思います(個人的には締めのバイクシーンより自転車ライドの方がGOODだった)。なびく髪もとても美しかった。
俳優陣が熱演!
「溺れるナイフ」はかなり癖の強いキャラばっかりだと思います。
この島のモノはすべて自分のモノと思っている中学生やそれに惹かれるヒロイン、親友が別れた瞬間ヒロインに迫る友達など、濃い目のキャラです。
にもかかわらず、それぞれのキャラを演じきっていたと思います。というよりは割と自然体だったのかもしれません。
小松奈菜さんはいくら中学生でもいろいろと暴れすぎだろという演技をかなり自然に演じられていて、いかにも青春って感じで、見ていて楽しかったし、菅田将暉さんは何より演技が丁寧で力強い。原作は未読でしたが、コウが持つ中学生ならではの危うさと、大人びてたいという境界線を絶妙に演じていたと思います。また、重岡大毅さんはほんとこんなキャラいそうだなーってくらいハマってて、主役2人に花を添えていたと思います。
首をかしげたところ
勿体ないなと思ったところが大きく2か所あります。
夏芽とコウ2人の恋の描き方が少し抽象的すぎて、感情移入どころかつけ放される点
本能で恋するタイプってことは分かるんですが、物語としてどうなのか?ってくらい結果論の連続でした。
出逢ってからの過程がほとんどなくて、「キスをする」などの恋人であるという描写も、2人の恋はもうここまで来たのか!?っていう疑問が度々あり、全然頭の中でつながってこなかったです。
また夏芽が襲われるシーンもリアリティーがなさ過ぎてびっくりしました。
光るシーンもある中なので、尚更もったいない感じでした。
音楽がじゃまな点
時々入る歌詞付きの音楽が場面と整合性のかけらもなく、ただただ雰囲気を作るためだけのものの気がしました。
訳の分からないタイミングで流れ、あれ?って思うことも少なくなかったです。
印象に残ったシーン
高校時代、船の上で夏芽・コウが今までの想いを吐き出すシーン
コウの激情することなく、心を込めて思いの丈を語っているのがすごいリアルな感情の吐き方で魅入る。また最初のシーンでコウが夏芽を海に落としたが、ひと悶着あって、落とし返すっていうのが面白い。海上での映像はとても目新しさあったし、くどいところもあったけど、素直に綺麗だった。
そして、このボートに乗り込む前の追いかけっこはかなり見ごたえがあった。コウという人物を良く表していたと思うし、錆びれた家屋?倉庫?をいれるのも抜群に良かったと思う。綺麗な映像が多かった中で、「関係の悪化」を映像面からも後押ししていたと思う。
1:15あたりのシーン
夏芽の言葉と表情が印象的だった。
「じゃあ私たちアイツの呪いにかかったまんまなんだなぁ!」
目・口調共に力がこもっていて迫真の演技だった。このセリフの後の悲しげなさまも、とても世界観があり良かった。
映画「溺れるナイフ」の感想などについて書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?
粗削りな脚本感はあったけど、俳優陣の熱演と映像美で個人的には楽しませもらえました。
特に菅田将暉さん、小松奈菜さんが好きな方は彼らの魅力がとても詰まった映画だと思うので、是非見てみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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