【MOVIE DIARY No.11】『ピエロがお前を嘲笑う』のネタバレあらすじ・感想|人は見たいものを見る

 

『ピエロがお前を嘲笑う』

天才小物ハッカーの戦いをここにみる

 

 

ピエロがお前を嘲笑うのキャスト

ピエロがお前を嘲笑う公式Twitterより

ベンヤミン|トム・シリング

ピエロがお前を嘲笑うの主役。

子供のころ父親がフランスへ逃亡、母は自殺し祖母と2人で暮らしている。

14歳位でコンピュータに興味を持ち、天才ハッカーと呼ばれる。CLAYのメンバー

 

マックス|エリアス・ムバレク

野心家でソーシャルエンジニアリングの使い手。CLAYのメンバー

ベンヤミンの才能に惚れこむ。

 

シュテファン |ヴォータン・ヴィルケ・メーリング

プログラムの穴を見つける天才。

いつもスリルを求めている。CLAYのメンバー

 

パウル |アントニオ・モノー・Jr

ハードウェアに強い、小太り

仲間思いで慎重な性格。CLAYのメンバー

 

マリ|ハンナー・ヘルツシュプルンク

ベンヤミンの同級生。

ベンヤミンに好意を寄せられている。

 

ハンネ・リンドベルク| トリーヌ・ディルホム

ユーロポールの捜査官で秀才。子供を流産した過去を持ち、子供が産めない病気になってしまう。

 

 

ピエロがお前を嘲笑うのあらすじ

ピエロがお前を嘲笑う公式Twitterより

 

ピエロがお前を嘲笑うのあらすじを簡潔にまとめました。

※シーンの一部を取り上げているだけなので、気になっていただけた方は実際に見てもらうことをお勧めします。

 

ピエロがお前を嘲笑うのあらすじ|CLAYの誕生

 

警察に出頭した天才ハッカー・ベンヤミン。ベンヤミンはハンネに最初から自分のしたことを語りだした。

「誰もできないことをしたかった」と幼いころからヒーローに憧れたベンヤミン。学校では透明人間のような扱いを受け、母は自殺で他界、父はフランスへ逃亡で祖母と2人暮らしときつい過去がありながらも「ヒーローにつらい過去を付き物だ」と日々を過ごしていた。そんな中14歳でコンピューターにハマった。そしてネットの世界のMRXという人物に憧れた。彼はどんなシステムにも侵入できた。彼は3つのことを大切にしていた。1.安全なシステムなんてない 2.不可能に挑め 3.現実世界も仮想世界も楽しめ。ベンヤミンはそんなMRXを尊敬していた。

ある日、ベンヤミンは気になっているマリのために大学の試験問題をハッキングして手にいれようとしたが、警備員に見つかり捕まってしまう。その罪を償うための奉仕活動中に今後世間をにぎわすサイバー犯罪集団CLAY(英語でたぶん clowns laugh at youってことだと…)を組織するきっかけとなるマックスたちと出会った。CLAYはばかり金融業界・大手製薬会社などをハッキングし、瞬く間に社会に認知され、人気も上昇した。ところが憧れのMRXには全く認知されていなかった

 

ピエロがお前を嘲笑うのあらすじ|MRXの罠

そしてCLAYMRXに自分たちの存在を認知させるために連邦情報局を次のターゲットとした。作戦はうまくいき通信プロトコルの乗っ取り、ファイアウォールを抜けデータを盗み出した。(ベンヤミンはデータを盗み出したことを他のメンバーに黙っていた)ベンヤミンは「自分たちの存在」を認めさせるためにMRXにそのデータを渡した。ところがこれが事件の発端だった。 CLAYのライバル「FRIENDS」のメンバーで連邦情報局の犬であった「クリプトン」が何者かに殺害されてしまう。そして遺体の横にベンヤミンが盗んだデータが置いてあった。そう、MRXFRIENDSのメンバーの一人だった。ベンヤミンは自分を売ったMRXを捕まえるために、まずは接触を図った。そこでMRXはベンヤミンに「ユーロポールにトロイの木馬を仕込め」と指示した。それに対してベンヤミンはそれを逆手にとってMRXがユーロポールのシステムに入った瞬間、MRXの端末に入れるような仕掛けを施した。

しかしそれをMRXは見抜いていて、逆にCLAYの居場所がばれた。そしてベンヤミン以外のCLAYのメンバーは殺されてしまった。

 

ピエロがお前を嘲笑うのあらすじ|ベンヤミンのソーシャルエンジニアリング

(そして今)ベンヤミンはMRXを捕まえるのと交換条件に証人保護のお願いをした。そしてMRXは捕まり、ベンヤミンは新しい名前と新しい場所を得た。しかし、ベンヤミンを調べていたハンネは大きく2つのあることに異変を感じる。「ベンヤミンの母親は多重人格で遺伝性がある」「CLAYのメンバーの死体はどこにもない」ことに気づいたハンネは「ベンヤミンがCLAYの犯行をすべて一人でやった」と判断し、証人保護を解除し、連行することに。しかし、連行の途中でハンネはベンヤミンが自分は決してできることはない息子のように感じたのか、助けることを決めた。ベンヤミンは証人保護の書類をいとも簡単に改ざんし、無事証人保護を受ける運びになった。そしてベンヤミンは「人は見たいものをみる」という言葉を残し、ハンネと別れた。そしてベンヤミンはCLAYのメンバーと共に新しい場所へと向かった。そう、ベンヤミンは現実世界も仮想世界も騙したのだ。

 

 

ピエロがお前を嘲笑うの主題歌・エンディング曲など

 

● XTC (The Chemical Brothers Remix) ALARM  BOYS NOISE

・ XTC

・ Alarm

BOYS NOISE 公式YouTubeチャンネルより

 

● Royal Blood  Out Of The Blank

エンディング曲

Royal Blood 公式YouTubeチャンネルより

 

 

 

ピエロがお前を嘲笑うの解説・伏線

ピエロがお前を嘲笑う公式Twitterより

 

ピエロがお前を嘲笑うのあらすじの部分では全体のストーリーをさらっと書きましたが、もっとまとめるとこんな感じです。

 

✔ 良く分かる解説

ベンヤミンがたらたらと自分の犯したことをハンネに話していたことはソーシャルエンジニアリングみたいなものです。

何でそれを行ったのかというと、MRXに狙われていてもう居場所が見つかって殺されるのも時間の問題…どうしても新しい名前と住所が欲しかったんです。

それで命を守るためにCLAYが利用したものが大きいところだと多重人格だったというベンヤミンの母親。(母親が実際に病気だったかは病院の先生の嘘かも知れません…)

ベンヤミンも多重人格という体で、ハンネを揺さぶりました。

 

いかにもどんでん返しを煽っていますが、事実ベースだとこんな感じです。

● ベンヤミン視点

(本当)~ CLAYは4人グループでMRXに仕返しをしようとしたが返り討ち

(嘘)CLAYの他のメンバーが殺された 

⇒ 多重人格という嘘の情報ををハンネに植え付けるため

【結果】ハンネはCLAYはベンヤミンの他の人格で実際には1人だと勘違い。同情する。

 

まとめると、

自分たちが行ったことで報復?されそうだったのをお得意のソーシャルエンジニアリング・ハッキングで回避したってところです。

たったこれだけのことをあそこまでストーリーとして膨らましたのはこの映画の凄いところなのかなと思います。

 

✔ 伏線

 

● 角砂糖のトリック

最初のシーンでベンヤミンがハリルに見せたトリック。ある意味これがストーリーの全てでした。

4つあった角砂糖(CLAY)

1つになった角砂糖(ベンヤミン)← 見せかけ

実は逆の手に隠してただけだった残りの角砂糖(CLAY)

ストーリーの肝であるCLAYメンバーの有無を角砂糖で表現していました。

 

● MRXの3つの教え

1.安全なシステムなんてない 2.不可能に挑め 3.現実世界も仮想世界も楽しめ

この3つをベンヤミンは映画中に再現しました。

一見、上手くいったハッキングも逆手に取られたり、要塞と言われたユーロポールにも警備員に同情を誘って侵入できました。

また、仮想世界は持ちろん、現実世界でも信頼できるCLAYメンバーに出会えました。

 

他にもいろいろあった(薬莢とか)と思うので、後は是非見直してみて下さい!

 

✔ 言葉リスト

ちょっと何言ってるか分からないと感じた言葉をリストにしました。

 

 

・ユーロポール

欧州刑事警察機構。EUの専門機関のひとつ

 

・悪魔の双子

安全なアクセスポイントだと見せかけて、接続してきたコンピュータの通信内容を盗む行為のこと

 

・アノニマス

匿名で活動する国際的ハッカー集団。

 

・ラルズセック

アノニマスから分散したハッカー集団。

 

・証人保護プログラム

日本には無い仕組み。

新しい名前と住所などが与えられる。

 

 

ピエロがお前を嘲笑うの感想・レビュー

ピエロがお前を嘲笑う公式Twitterより

● メッセージの一貫性

ストーリーの転がし方は思っていたよりも普通でした。どんでん返しと言えば、どんでん返しのような感じはありますが驚きが少なかった気がします。

どうしてでしょうか。

個人的に思うところはどんでん返しを狙うような、起承転結でいえば「転」に当たるところが間延びしすぎてしまって、説明的な感じになったからかなと思います。

それでもストーリーで推していた言葉「人は見たいものをみる」っていう少し抽象的な言葉を上手く映画を使って伝えていたと思います。

特にソーシャルエンジニアリングについて、おそらく言葉自体に馴染みのない方も多い中で、「マックスがドーナツ屋に主張するシーン」で上手く説明したことで、「なるほど。こういうことね」と入り口が広がったのかなと思います。

確かに見たくないものは見たくない(極力面倒なことはしたくない)よなと共感させられました。

 

● 敵の弱さ

そのメッセージが長かった(たぶん分かりやすく解説していた)のもあってか、ハッキングならではのネット上での騙し合いのようなものは弱かったのかなと思います。せっかくFRIENDSっていうライバル的なものを描いているのに、やり合うっていう感じではなく揚げ足取りみたいな感じで、「ハッキング」的なものはあまり感じませんでした。

 

 

 

 

ピエロがお前を嘲笑うの評価

ピエロがお前を嘲笑う公式Twitterより

 

● 映画.com     3.5/5  ★★★★☆ (146件 2020/5/31付)

● Filmarks  3.7/5      ★★★★☆ (6950件 2020/5/31付)

 

 

みるそんの評価

個人的に映画を見るときによく見る部分を数値にしてみました。

● キャストたちの演技  10/20 

可もなく不可もなくという感じ。パウルは個人的に好きだった。

● ストーリーの面白さ  9/20

ラストまでの持っていき方があまり好きじゃない。 

● 起承転結度  10/20

「起」「承」までは好きだった、特に国民同盟や製薬会社を狙ったとことかまさに「ハッカー」像そのものだった。

● 映画に合った音楽 18/20

 とても良かったです、

● 喜怒哀楽度 14/20

 とはいうものの普通に楽しめました。

 

〇 総合評価 ★★★★★★☆☆☆☆(61/100)

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

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